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ライブレポート!2011.07.25 kowloon×mouse on the keys×toe@SHIBUYA O-WEST『metallic,exotic tour final』


kowloonの新作『metallic,exotic』のリリースに伴い、全国7か所を回ったツアーのファイナル。全会場に同行したmouse on the keysに加え、盟友toeも参加し、2008年のクアトロ・ツアーの再現となる、日本有数のインスト・バンドによる共演が実現した。kowloonの中村、toeの山嵜共に、「内輪ですみません」と冗談交じりに話していたが、いやいや、こんな豪華な内輪だったらいつだって大歓迎だ。

トップバッターを務めたのはtoe。ツアー前に行った3バンドの対談で、山嵜は「レコーディングを終えていい感じになってるか、バンドの練習してないからボロボロになるか見もの」と話していたが、その結果はやはり前者で、バンドのタイトな演奏には揺るぎないものがあり、メロウな旋律がオーディエンスを魅了した。「牛にインスパイアされてmoe(モー)に改名しました」とか「2分で作って1分半で録音した2千曲をMP3で発表する」といった、相変わらずユルユルな山嵜のMCと、演奏中の集中力の高さは好対照だ。この日はkowloonのツアー・ファイナルということもあり、サポートで参加する中村にもいつも以上に注目して見ていたのだが、体全体でエモーションを表現する山嵜や美濃に対し、熱っぽくもクールにアンサンブルを支える中村の姿が印象的だった。ラストは名曲“グッドバイ”で締め、新作への期待を嫌が応にも膨らませてライブが終了した。

続くmouse on the keysのライブは、彼らの音楽性が端正で構築的な部分と、混沌や狂気といった部分がギリギリにせめぎ合って成り立っているということを、再認識させられるライブとなった。基本的には、テクニカルな2台の鍵盤とリズムによるプログレッシヴで緊張感のある演奏と、バックのVJによって独自の端正な世界観を構築しているのだが、サックスやトランペットの混ざる曲ではフリージャズ的な混沌が生まれ、その揺さぶりが観る者を狂喜させるのが彼らのライブだと思う。しかし、この日はツアー・ファイナルということもあって、そのギリギリの均衡が破綻。川崎がMCで、このツアーが途中から「chaotic,exotic」に変わったことを告げ、最後の曲でのダイブを予告すると、その通りに曲の途中でドラムを離れてフロアにダイブ!バランスを失ったステージからは、彼らの持つ混沌と狂気の部分がはっきりと露になっていたのだった。しかも、これがラストの前兆に過ぎなかったとは…。

Photo by : Makoto Ebi 
[ DRIFTERS ] http://ebic-go.com/project/photoglyph/

ラストはもちろんこの日の主役のkowloonで、まさに『metallic,exotic』を再現するライブを披露してくれた。アタマからアルバムにも参加したZAZEN BOYSのベーシスト・吉田一郎を迎え、アルバム中最もメタリックな“metallic,exotic”でライブがスタート。2曲を終えると、今度はアルバムのエキゾチックな部分を象徴すると言えるフルートの松村拓海を招き、見事にアルバムの音を再現していた。toeのときと違って、自身がリード楽器であるkowloonではエモーショナルなプレイ(メガネが数回飛ぶほど)を見せた中村、ベース、ギター、鍵盤と曲ごとに楽器をチェンジしてkowloonの曲調の幅広さを担った高橋、シャープなどドラミングによって、この日の3バンド中最もダンス・ミュージック的なアプローチの強いkowloonの骨格となっていた梅木と、インスト・バンドしては珍しい3人という少数編成だからこそ、個人のプレイヤビリティの高さが光り、それぞれの顔がはっきりと見える、素晴らしいライブだった。

photo by : Yosuke Torii (& Top Photo)

アンコールでは、このツアー用に作られたkowloonとmouse on the keysがお互いの曲をカバーしたスプリット・テープから、kowloonがmouse on the keys“saigo no bansan”のカバーを披露。mouse on the keysのメンバーもステージに登場して大盛り上がりを見せると、さらに最後はkowloonとmouse on the keysが合同で“saigo no bansan”をもう一度演奏!もうステージもフロアも収拾のつかないお祭り騒ぎに突入し、ステージには人が溢れ、フロアではダイブが連発する、まさにカオティックとしか言いようのない盛り上がりの中、ツアー・ファイナルは無事に(?)、幕を閉じたのであった。

Texit by : ATSUTAKE KANEKO



LIVE  INFO

■kowloon ASIA TOUR
9月16日(金) 香港 Hongkong @hidden agenda
9月18日(日) 韓国 Korea @club 打

■kowloon 東北 TOUR
10月08日(土) 山形 Sandinista
10月09日(日) 仙台 bird land
10月10日(月) いわき club SONIK

11月19日(土) KAIKOO
11月27日(日) 代官山unit


RELEASE INFO

mouse on the keys 「irreversible」

2011年3月4日~3月12日にかけてイギリス、ドイツ、ポーランド3カ国7か所を廻ったmouse on the keys UK & EU short tour 2011の模様を収録したロードドキュメンタリーDVD。

mouse on the keys  /「irreversible」
2011.9.25 / XQIF-2002 / ¥2,625円(税込)
Machuppichu Industrias

01.seiren
02.raumkrankheit
03.最後の晩餐
04.complited nihilism
05.spectres de mouse
06.untitled
07.outis
08.soil
09.the arctic fox
10.forgotten children
11.最後の晩餐
12.a sad little town
13.tocatina

toe Hirokazu Yamazaki blog 機材リスト詳細
http://www.newaudiogram.com/blog/yamayamawo/201108.php



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2011.08.11 • Category: REPORT