FEATURE
DIDI HAN Interview
自由をまとう、ダンスセラピー。
2026年7月31日(金)、東京のナイトカルチャーの交差点となるパーティーシリーズ「BLACK THUNDER」の第3弾が開催。ゲストには、パリを拠点に活動する韓国人アーティスト、DIDI HANを迎える。
今回我々は、来日を目前に控える彼女にメールインタビューを敢行。地元ソウルでのファッション業界から一転、ミュージシャンとしてパリに移住した彼女は、自身のパーティー「Dance Therapy」がスタートしたその日、「それまで経験したことのないような自由を感じた」という。
本インタビューでは、彼女の表現を大きく進化させたパリの街や、躍進を遂げるソウルのクラブシーン、そして自身の最近の音楽活動について語ってもらった。当日ダンスフロアへ足を運ぶ前に、彼女が音の中で紡ぎ出す「自由」のストーリーをチェックしてみてほしい。
ソウルからパリに拠点を移して今年で4年目になりますが、ミュージシャンとしてのあなたの活動に、パリはどんな影響を与えていますか?
パリでの生活は、私にとってそれまで以上に幅広い音楽の世界への扉を開いてくれました。ここにいる人たちは、さまざまなスタイルやユニークな芸術的アイデンティティに対してすごくオープンで、その多様性を心から楽しんでいます。そういう環境にいることで、自然と、自分が好きな音楽をもっと深く掘り下げて探求しようという気持ちが湧いてきました。
昨年リリースしたEP『I Dream』は以前の作品と比べてもよりメロディックな印象を受けました。この作品はどのような時期に制作され、どんなテーマが込められているのでしょうか?
収録曲は2022年から2024年にかけて作ったものです。最初に完成したのは”Paper Plane”で、そこからEPの残りの曲をスケッチし始めました。
最初はもっと前に作っていた曲もいくつか入れて、5曲入りEPとして2024年にリリースする予定だったんだけど、その間にもっとスケッチが生まれてきて。するとだんだん、古い曲に違和感が出てきたので、結局作品から外したんです。
リリースの延期は精神的に少し大変だったけど、最終的には選曲にとても満足しています。最初に考えていたラインナップよりも、私が本来表現したかったものにずっと近い仕上がりになったと思います。

あなたが手がけるイベントシリーズ、Dance Therapyはどのようにして始まったのか教えてください。
パリに移住してすぐの2022年に始めました。その時、私は「Fête de la Musique」についてよく分かっていませんでした。友達が、基本的に誰でも路上で自由に音楽を演奏することを政府が許可している日があるよって教えてくれたんです。
それで、その友達と一緒に、彼が働いていたStüssyのお店の前で最初のDance Therapyを開催することになりました。近くに捨てられていた車にグラフィティを描き始めた人たちがいて、私もその上に登ってその瞬間を撮影しました。信じられないくらい解放感に満ちた体験で、それまで経験したことのないような自由を感じました。それ以来、毎年パリやソウルの路上やクラブでパーティーを続けています。
韓国では近年、Air HouseやHahoe、SYNTHASIA OPEN-AIRといったフェスティバルあるいは野外パーティーが開催されたり、ソウルに新しいクラブが増えたりと、アンダーグラウンドなエレクトロニックミュージックシーンが成長しているように感じます。あなたが地元ソウルに帰ると、実際にそうした勢いは感じられますか?
そうですね、めちゃくちゃ感じますよ。私がパリに引っ越す前は、ソウルのアンダーグラウンドシーンはもっとずっと小さかった。箱もほんの数カ所しかなく、その手の音楽に真剣に取り組んでいる人もあまりいませんでした。ほとんどのヴェニューは、幅広いジャンルをカバーしなければならなかったし。
でも今は、ソウルに帰ると明らかに変化を感じます。クラブもパーティーも増えて、アンダーグラウンドミュージックに情熱を注ぎ、自分たちのシーンや音楽を築き上げようとしている新しい世代の人たちが出てきています。
最近特に惹かれている音楽について教えてください。
最近は90年代のブレイクビーツや2000年代初頭のクラブサウンドにすっかりハマっています。808 Stateあたりの昔のレイヴやブレイクビーツシーンが持つ生々しいエネルギーを見直しているのと同時に、クラブミュージックをもっと遊び心のある方向に押し広げている現代のプロデューサーの音楽も聴いていますよ。
現在進行中のプロジェクトや、新曲やリミックス、コラボレーションなど今後リリースを予定している作品があれば教えてください。
イエス!次のEPはもうほぼ完成していて、みんなに聴いてもらえるのが本当に楽しみ。今はクリエイティブディレクションの作業に取り組んでいるところです!前回のEP「I Dream」と比べると、新曲はもっとダンスフロア向け。だから、自分のセットでかけてみんなと一緒に踊れるの!

今後ハードウェアを使用したライブパフォーマンスをする予定はありますか?
はい、いつかライブセットをやる自分の姿は想像できます。でも、DJをするのと同じくらい楽しめるかどうかは分からない。DJをしていると、お客さんの反応にリアルタイムで応えられるから、また違ったエネルギーが湧いてくるんですよね。そのやりとりだったり、一緒に雰囲気を盛り上げていく自由さが本当に楽しくて。でも、近いうちにハードウェアを使ったライブをやるのは間違いないと思います!
パリとソウル、東京の好きな場所を1つずつ教えてください(音楽に関係あっても関係なくても構いません)。
パリのお気に入りの場所は、私が住んでいる近くのビュット・ショーモン公園。
ソウルのお気に入りの場所は……1つだけ選ぶなんてできない!でも、前に住んでいた梨泰院とか漢南洞あたりは大好き。東京だと、渋谷駅の裏手にある思い出横丁ですね。そこにある狭い居酒屋とか、人間味や生活感あふれる雰囲気が大好きです。あそこには特別な雰囲気がありますよね!

BLACK THUNDER
2026年7月31日(金) OPEN/START 22:30
MIDNIGHT EAST (Spotify O-EAST 3F & AZUMAYA)
東京都渋谷区道玄坂2-14-8
ADV / U25 ¥2,000 IG/RA DISCOUNT ¥2,500 DOOR ¥3,000
https://shibuya-o.com/east/schedule/black-thunder/
LINE UP:
=O-EAST 3F=
DIDI HAN (Dance Therapy, KR)
MONKEY TIMERS (DISKO KLUBB)
YonYon
MASAYASU (MYSS/Things)
=AZUAMAYA curated by GATA magazine=
〜A TRIBUTE TO GREGG ARAKI〜
MARS89
RYUGO
S.Ø.U
KATOMAN
KOSHIRO
